テレビコマーシャルなどで目にすることも多い「共済」ですが、皆さんはその共済というものが一体なんなのかご存知でしょうか?
JA共済と聞いて「農家の人が入る保険」と認識しているようでは、まだまだ金融リテラシーが低いですよ!
今回はCMでも目にすることの多い「共済」について、一体なんなのか?そして民間の保険とは何が違うのかについて解説していきたいと思います。
こんにちは!めしーだです!!
今回は保険編「共済」についてです。
この記事を読むことで、
- 共済とは何か
- 共済と民間保険との違い
- 共済の必要性
について知ることができます。
共済とは
「共済」とは、組合員の協同救済=相互扶助を制度化したものです。
もう少しわかりやすく言うならば「同じ危機に備える仲間同士で助け合う仕組み」です。
病気や事故などさまざまな災難に対する経済的損失の補填と生活の安定を目的としたものであり、一定の地域や職域などで構成される団体によって行われ、そこには必ず「相互扶助:相互に助け合う」という精神があります。
将来発生するかもしれない事故に備え、組合員があらかじめ一定の金額を拠出して協同の財産を準備し、万一共済事故が発生したときにはそこから共済金を支払います。
組合員の誰かが困ったときに、他の組合員全員で助けようとする仕組みです。
共済の仕組み
共済も保険も、「リスクに対する経済的保障(補償)を行うもの」という意味では全く同じです。
大まかな仕組みはほとんど一緒です。
- 共済掛け金を支払う
- 万が一が起こったときにはみんなから集めたお金から保障する
このイメージで合ってます。
共済の種類
共済にもいろいろ種類があり、
生命共済、医療共済、がん共済、介護共済、こども共済、火災共済、自動車共済など
保険と同じように様々な「万が一」に備えることができます。
また、共済を扱っている組合には、
- 全労済
- 都道府県民共済
- CO・OP共済
- JA共済
などがあります。
この辺はテレビでもよく見かけるのではないでしょうか?
ちなみにJA共済は、農家の方向けの共済ですが、一般の方も准組合員となることで保障を受けることが可能なんです。覚えておきましょう。
共済と民間保険の違い
では続いて共済と民間保険との違いについて触れていきましょう。
そもそも、同じ仕組みなのに名前が違うと言うことは、共済=民間保険ではないということになります。
どのような点が異なるのでしょうか?
違いその1 営利目的か否か
共済は、組合員が自ら運営することを通じて、組合員に最大の奉仕をすることを目的としているため、営利目的、つまりお金を稼ぐことが目的ではありません。
それに対して、民間の保険事業は、会社を経営し株主などの出資者への還元、つまり利益を出すための事業ですから、営利目的であると言えます。
共済と民間保険とではこの点が最も大きな違いと言えます。
ちなみに、営利目的であるということは会社にマージン(手数料)が入らなければ成り立たないため、保険の方が割高になりやすいという特徴があります。
違いその2 加入対象者
共済は原則として、加入できるのは組合員やその家族のみになります。
それに対し、保険は誰でも被保険者にすることが可能です。
まぁ、一般的には自分や家族のためにしか保険は使わないのであまり関係ないと思いますが…
違いその3 根拠法の違い
根拠法と聞くと少し関わりたくない感じがすると思うので、ここでは「なんの法律をもとに保障をしているのか」程度の認識で構いません。
ちなみに、
JA共済→農業協同組合法
保険→保険業法
と言ったように、保険と共済とではこの根拠法が異なります。
また、共済もその組合によって根拠法が異なる場合があります。
これが違うからと言って特別大きな影響はありませんので、あまり気にしなくて大丈夫です。
なお、加入者の権利義務など、根本的・基本的なルールについては、共済・保険共に「保険法」という法律に基づいて決定されています。
だから似たような仕組みになっているんですね。
共済のメリット
では民間保険が主流のこの世の中で、なぜ共済事業というものが存在するのでしょうか?
それは、共済に加入するメリットがあるからなんですよね。
ではどのようなメリットがあるのか見てみましょう。
- 掛け金がリーズナブル
- 「割戻金」が受け取れる
- 年齢・性別に関係なく掛け金が一律
- 健康告知が民間保険会社よりも緩い
掛け金がリーズナブル
共済の掛け金は、一般的な民間保険の保険料と比べてもかなりリーズナブルになっています。
基本的にコースによって一律定額になっており、その幅は1000円〜4000円程度です。
その金額だと保障が不安と思う方もいるかと思いますが、共済は保険に比べればやや見劣りするものの、掛け金分の保障は十分に受けられますので、家計に優しいというわけです。
「割戻金」が受け取れる
共済は営利目的ではないと説明しました。
その代名詞とも言えるのがこの「割戻金」という仕組みです。
これはざっくりいうと「使わなかった分があったからみんなに戻すよ!」という仕組みです。
保険の解約返戻金とは違う仕組みですが、ちょっとしたお小遣いがもらえるような感じで少しお得感があります。
年齢・性別に関係なく掛け金が一律
共済の掛け金は、年齢や性別ではなく、コースで決まっています。
年齢によって入れるコースが限られているため、多少は制限があるものの、そのコースに入っている間はずっと掛け金は一緒です。
保険によってはどんどん更新するたびに保険料が割高になっていくことがありますので、それに比べるとかなりお得であると言えるでしょう。
健康告知が民間保険よりも緩い
保険に入る際もそうですが、共済に加入する際も、自身の健康状態の告知を行う必要があります。
ですので人によっては、持病や入・通院歴のせいで入りたい保険に入れない…なんてこともあります。
ですが、共済の場合はこの健康告知がやや緩いため、持病や入・通院歴があっても掛け金の割り増しや給付制限を受けず加入することができるというわけです。
共済の必要性
共済のメリットについてある程度理解したところで、共済の必要性についても解説していきたいと思います。
結論から言うと「ある一部を除き、共済加入の必要性はかなり低い」です。
共済にはメリットもたくさんあり、保険よりも優れていることがあるのも事実ですが、現状「ネット生命保険+投資」で備える方法がコスパ最強になってしまっているので、あまり活躍の場がないのです。
ちなみに上記の「ある一部」というのは、例えば自動車共済です。
これは民間の自動車保険と同様に加入することができますし、掛け金も安価です。
昔は保障が悪かったり、手続きが面倒だったり、対応が遅い、などの悪い情報もあったのですが、今はそんなこともありませんので、一考の余地有りです。
また、医療関係の万が一に備えるための貯金がある程度の額になるまでの、「つなぎ」として都道府県民共済に入ることは「あり」だと思います。
関連記事:都道府県民共済の入り方|インターネット申込についても解説!
まとめ
では本時のまとめです。
- 共済とは「相互扶助」の精神のもと組合で実施している制度
- 保険と共済の大きな違いは「営利目的か否か」
- 共済はリーズナブルな掛け金で保障を受けることができる
- 現状必要性はあまりない、でも「つなぎ」で使うのはあり
以上、「共済」についてでした。
このブログを読んで少しでもお金に関する知識に興味を持ってくれたり、実際に行動を起こしてくれる方が増えたら嬉しいです。
では今回はこの辺で失礼します。
閲覧ありがとうございました。