毎年かかる税金の負担を減らすためにできることは、大きく分けて2つです。
それが「脱税」と「節税」です。
その中でも脱税は、売上や経費をごまかすなど、法に背いて税の負担を免れる「犯罪行為」とみなされることが多いです。
脱税が発覚すれば、重加算税が課されたり、懲役・罰金刑などの刑罰を科されたりするなど大きなペナルティも存在します。
それでもなお、脱税をする人が跡を立たないのはなぜなのか?
今日はその脱税について詳しく解説していきたいと思います。
脱税はなぜ違法なのか?
脱税とは、売上を隠したり領収書を偽造したりして、不法に税の負担を免れる行為です。
脱税は申告納税義務に違反する行為として行政処置の対象となり、ペナルティとして重加算税が課されることになります。
さらに、特に悪質だと判断された場合には、脱税犯として5年以下の懲役あるいは罰金、または懲役刑と罰金刑の両方が科されることもあります。
節税との違い
節税と脱税の違いは、主に「違法であるかどうか」で分けることができます。
詳しくはこちらの記事で解説してあります。
関連記事:節税と脱税の違いとは
脱税の手口
脱税には一体どのような手口があるのでしょうか?
基本的には、偽造、隠蔽、虚偽、改竄などは脱税の手法にあたります。
逆に軽微なミスによるものは、脱税とは見られません。
利益の隠蔽
基本的に税金は、儲かっている利益に対して課せられるものですよね。
したがってその利益が少なければ税金もまた少なくなるわけですが、これを会社の収益単位で行うと脱税にあたります。
本来得たはずの収益を誤魔化すのは、昔からの常套手段です。
領収書の偽造
脱税の典型的な手口として有名なのが、領収書の偽造です。
例えば、領収金額や日付を書き換えたり、自分で作成したりしてしまう場合などが挙げられますね。
悪質になると、架空の会社名義で発行した領収書を悪用し、経費を仮装するような行為も見られます。
二重帳簿の作成
申告書に記載している銀行口座とは別に、売上代金の回収用の口座を使ったり、帳簿を2つ作成して売上や経費をごまかしたりするのも脱税にあたります。
金融関係のドラマなんかで「二重帳簿」という名前が出てきたら、大体悪いことに使われているケースがほとんどですよね。
二重帳簿を作成しても売上や仕入れと在庫について辻褄が合わなければ、すぐに脱税が発覚します。
税務調査の対象となれば、売上伝票から顧客の情報まで徹底的に調査されることになります。
脱税に対するペナルティ
最初に言っておきますが、脱税に対するペナルティはかなり重たいものが多く、減らすことができる税金とでは全くリスク・リターンが釣り合っていませんので覚えておきましょう。
脱税すれば目先の税金を減らすことができますが、もしバレてしまうと追徴税額を納付することになりますし、懲役や罰金などの刑罰を科せられることもあります。
また、厳しい社会的制裁を受けることも覚悟しなければなりません。
信用を失う
脱税は、会社の信用や名誉を著しく失墜させます。
脱税によって得た利益の、おそらく何十倍、何百倍もの損失となるでしょう。
一度失墜させてしまった信用や名誉を、再び元の状態に戻すのには多くの時間と努力を要することになります。
特に会社の場合、「信用=株を買ってもらえること」につながりますので、株主を裏切った企業が立て直すのはかなり難しいと言って良いでしょう。
追徴税
脱税行為と認定されると、簡易的なものとして追徴税によるペナルティを課せられることになります。
要は追加で税金を課せられるというわけですね。
そのなかで最も重い処分が、「重加算税」です。
重加算税とは、仮装または隠ぺいによって申告している場合に課税される付帯税で、過少申告加算税の場合には税額の35%、しなければならなかった申告をしなかった無申告の場合には税額の40%もの税率の加算がされます。
この他に、もともと納めなければならなかった本税を期限内に納められなければ、利息として別途延滞税がかかります。
本来支払うべきだった税金の1.5倍の税金を納めなければならない訳ですから、大企業クラスになるととんでもない数字になるわけです。
刑罰
脱税額が大きかったり、脱税の手口が悪質であると判断されたりした場合には、10年以下の懲役や1,000万円以下の罰金などの刑罰が与えられることもあります。
人の中でも最も尊い「時間」という資源を奪われることとなりますので、かなり大きな損失ですよね。
もし仮に、1年で1億稼ぐことができた人であれば、懲役10年=10億円の損失と同じですからね。
まとめ
以上、「脱税はなぜ違法なのか?」についてでした。
税金を支払いたくないという一心のために、行き過ぎた行動をとってしまうと、かなり手痛い損失を受けることになります。
また、脱税行為を行わなくても、適切な「節税」を行えば、税額を大きく軽減することは可能です。
合法的な行為によって税負担を軽減させるようにしましょう。
他にも税金や節税について知りたい方はこちら